第26章 近くて遠い恋《12》
「このあたりか?」
「っ!」
「知るか。雨で血が滲んでるから、はっきりわかんねーよ。」
「(血…?まさか、血の跡を追ってきたの!?
雨が降ってるから、滲んで消えると思ってたのに……)」
足元を見ると、確かに、血の付いた葉などは、雨で滲んではいるが、完璧に消えてはいなかった。
嘘…このままじゃ、捕まっちゃう!
体力はもう限界だが、このままここにいても捕まるのは時間の問題。
逃げようと立ち上がろうとした時
「っ!?」
怪我をしている足がかなり痛みだし
バシャンっ!!
足が縺れ、転けてしまった。
「!!!そこかっ!!」
!?
ガサガサガサ…
「……見つけたぞ。女」
ニヤリと笑いながら、見下ろされる