第24章 近くて遠い恋《10》
「え?いいの?」
「…俺はいいけど……。陽菜が帰りたいなら、城まで送るけど…」
「ううん!あの、じゃあ教えてください。」
軽く頭を下げる
「わかった。じゃあそこ座って」
文机の前を指さし、文机を挟んでお互いに座る。
「……この包み、何?」
「あ!お姉ちゃんから!戦の時に着てた羽織の修繕が終わったから持って行くよう頼まれて。」
「あぁ、ありがとう。香菜にもお礼言っといて。」
「うん。伝えとく」
「じゃあ、始めるよ」
包みを文机から降ろし、勉強を始めようとしたとき
「家康、入るぞーーー」
返事も聞かずに政宗が襖を開けた。