第23章 近くて遠い恋《9》家康side
「ちょっと待て。誰が香菜とくっついたって?」
「は?秀吉さんじゃないですか。」
「何?誰がそんなこと言ってんだ?」
「誰って…陽菜ですけど。ていうか、昨日の宴でのあんた達のやり取り見てたら、誰だってくっついたって思いますよ」
「な!?ちなみに俺は何をしてたんだ……?」
眉間に皺を寄せながら、かなり焦った表情の秀吉さん。
「何って…俺はあんまり見てないんで、知りませんけど。陽菜が言うには、陽菜の目の前で告白が始まって驚いたって言ってましたけど。」
「こ、告白っ!?!?」
サーと顔から血の気が引いていってるような秀吉さん。
とうとう手で顔を覆って項垂れた。
大丈夫か…?
「…もしかして、覚えてないんですか?」
「可愛いとか、いい娘だとかは言ったのはなんとなく覚えているが……告白ってことは、『好き』って言ったってことか…?」
「俺は聞いてないんで、知りませんよ。陽菜も途中から、信長様のところに行ってたし、最後まで聞いてないと思いますけど。」
「そうか………」
完全に意気消沈している………