第21章 近くて遠い恋《8》
「なんで忘れてたんだろ…こんな大事なこと…」
力なく笑うお姉ちゃん
「もう二度と…会えな、いん、だ……」
顔を俯かせて、涙ながら話すお姉ちゃん
「お姉ちゃん…秀吉さんのこと…」
「…………うん。気づいたら好きになってた…駄目だよね。好きになっちゃ駄目な人なのに!」
「でも!秀吉さんもお姉ちゃんのこと…」
お姉ちゃんは首を横に振る
「確かに、あの雰囲気だと告白に思うよね!昨日言われたこと嬉しかったんだけど…
でも…ハッキリと好きって言われたわけじゃないし…付き合ってとかも言われてないの。だから今までと同じ、秀吉さんとは、何の関係も変わってないよ…」
それにお酒入ってたし本音かわからない!と言って、
ゴシゴシ目を擦りながら話すお姉ちゃんの姿が見てて辛い
「……陽菜は?」
「え?」
「家康さんのこと…好きなんでしょ?」
「…………」
コクンと頷く