第21章 近くて遠い恋《8》
「いつワームホールが開くかは、まだ計算中なんだけど、場所は本能寺で間違いない。そのことを伝えに……大丈夫?二人とも…」
「「え?」」
「すごく悲しそうな顔してるから……」
「「あ…」」
チラッとお姉ちゃんを見る。
お姉ちゃんは昨日、秀吉さんと…
「あの、さす…」
「大丈夫だよ。ちょっと考え事してて!」
お姉ちゃん…
「…そう?じゃあ、俺はそろそろ行くよ。詳しい日がわかったら、また来るから。」
「うん。佐助くん気をつけてね」
「あぁ。」
そう言って、佐助くんは来たときと同じように、天井から帰っていった。
「お姉ちゃん、あの…」
「陽菜……私、帰れるってこと…忘れてた…」