第20章 近くて遠い恋《7》家康side
「こんなとこで何してんの…」
言いながら陽菜の横まで行き、その場に座った。
「…月、見てた」
「月?」
「うん。ただただ綺麗だな。と思って見てた」
「ふぅん…」
家康は興味なさそうに返事をして、月を見上げた。
「(いつもと同じに見えるけど、陽菜と見ると、なんだか特別な感じがする…)」
「まぁ、綺麗かもね…」
「っ…家康は、何でここに来たの?」
陽菜が息をのむのが聞こえ、陽菜の方に向く
「あぁ。陽菜捜してた。」
「え?」
その言葉に陽菜がこちらを向き
「これ、陽菜の?」
懐から金米糖入の小瓶を出した。