【跡部】All′s fair in Love&War
第10章 Season of Love
夢見の悪さにばっ、と勢いよく飛び起きた、今は午前四時。
暑さでじっとりと貼り付くようなパジャマが気持ち悪かった。
八月も終わりかけでもう初秋の筈なのに、設定温度28度ではまだ暑かったらしい。
とは言え、もう寝つけそうになくて冷房をOFFにした。
カーテンをちらっと捲ってみると、外は白んできているが、まだ夜が勝っている。
テニス部は遅れて夏休み。お盆も自主練習だのなんだので結局出ずっぱりだったが、校舎のクリーニングだかで強制的に学校が閉められてしまった。貴重な三日間の休みも、もう最後、三日目の朝だ。
毎日朝練の時間には起きてしまう自分の身体を恨めしく思っていたけれど、今日は一段と早かった。
まだリビングに行くわけにもいかない、皆ぐっすり寝ているだろう。――どうする?
充電コードに繋いだスマホを持ち上げてみると、通知ランプが眩しい光を放っていたから立ち上げてみる。
「…嘘だぁ、」
――起きてるか、と、その一言だけが届いていたのは3:50の事。発信者は、跡部。