【跡部】All′s fair in Love&War
第31章 おわりのそのまえに(前編)
「あーあ、守河がマネージャーになってくれたらいいのに」
そしたら俺、絶対サボったりしないで、毎日部活行くぞ!なんて俺の言葉を、跡部はにやにやと笑いながら聞いている。
「ジローが、眠気に勝てた試しなんてあるかよ?」
「マジマジ!守河がいたら頑張るからっ」
「なら、連れてこい。お前のやる気になるなら願ったり叶ったりだ」
跡部は馬鹿にするようにそう言って、シートに深く座り直し、目を閉じた。俺はといえば、まだ話したこともない守河との生活を想像しようとして、目を閉じる――そうして、ミカエルに起こして貰った時にはもう家の目の前だった。