【跡部】All′s fair in Love&War
第27章 Drive me blue
「何が可笑しい、日吉」
「…いや?ほんとに、俺にしとけばいいのになぁと」
「…あぁ??」
このままでは、本当に怒らせてしまうな、と自分の荷物を取り、部室の扉を開ける。
「明日の時間、また知らせてください。宜しくお願いしますね」
振り返りそう言うと、部長は更に苛立ったようにぎろり、と睨んでくる。笑いが込み上げてくるのを隠すように俯き、ドアを閉める。どうやらすっかり、俺もハイになってしまっているらしい――
本当に、好きだったんだ。こんな噛ませ犬になんてなるつもりは無かったし、無駄に傷つくのは真っ平ごめんで、この気持ちを告げるつもりも無かった。それでも、彼女を何とか、救いたくて。
結局俺も、ほかの先輩達と同じで、あの二人には甘いのだ――高揚感と達成感、そして遅れて押し寄せてくるだろう虚無感で、今日は寝れそうにない。