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【跡部】All′s fair in Love&War

第27章 Drive me blue




「おいっ、何があったんだよ跡部っ」


問い詰める岳人たちをよそに、つーんとスマホをいじってるあとべ。もうそうなると、跡部は何も言わないんだよ。分かっている俺は、守河からの連絡を待っていた。

暫くして、机の上に放り出していた俺のスマホが震える。守河の名前がディスプレイに表示された瞬間、待ち侘びていた俺はすぐさま通話ボタンを押した。


「はいはーい、守河?」
「あ、ジロちゃん、あのね」


心持ち、暗く聞こえる守河の声。松元に何かあっただろう事が容易に想像できる。


「このまま千花ちゃんを連れて帰ろうと思うから、私達の荷物を持ってきて欲しいの」
「りょーかいー」
「あとね、千花ちゃんの身体が随分冷えちゃってて…もし置きジャージとかあるなら、ちょたから借りてきてくれる?」
「ん、おーとり、ジャージあるー?あるみたいー」
「ありがと、それから、最大音量でスピーカーにしてくれる?」


ん、と疑問に思いながら、言われた通りにして、机の上にスマホを置き。できたよー、と声をかける。皆が俺の通話相手に見当がついているようで、しん、と静まり返っている中、少しくぐもった守河の声が聞こえてくる――


「跡部、そこにいるわよね。千花ちゃんに何言ったか知らないけど、このままなんて絶対許さない!」


それだけ叫ぶように言い放つと、守河はぶちっと通話を打ち切った。電話を変わらずに、スピーカーにしたのは態とだろう、と思い当たる。皆に聞かせるためだ――いつも通り、跡部には手厳しいと苦笑する。でも、今回ばかりは多少の荒療治が必要だろうし、まぁ妥当か、と頷きながら。


「だってさ、あとべ。がんばってー」


ヒラヒラと手を振り、三人分の荷物とジャージを何とか抱える。鳳が扉を開けてくれて、部室を後にする。すると、暗闇の向こうに、見慣れた姿が帰ってくるのが見えた――


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