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『イケメン戦国』〜生きる〜

第14章 恋心


なお目線

「はーい!いらっしゃい」
私は今日の仕事が終わった後、二人を自室に迎え入れる。

「「なお様。お邪魔いたします。」」
梓と春の二人は少し緊張した面持ちで、部屋へと入ってくる。

二人のご褒美。

【私の部屋へのお泊り】

の時間が始まった。

「もう少ししたら夕餉の時間だから、その前に着替えようか?」
私は秋野に声をかけると、二人の着物を運んできてくれた。

梓には
浅緑を基調に小鳥の絵が所々に描かれた、愛らしい小袖。

春には
瑠璃色を基調に白い花びらが散る、涼やかな小袖。

「うん!二人とも可愛い!ね!秋野!」

「さすがなお様の見立てですね。お二人とも良くお似合いです」
秋野は満面の笑みで二人と私を見つめる。

「じゃあ、行こうか」
私は緊張の取れない二人の手をそっと握って、広間へと向かった。

…………………………………………

「ふぅ。お疲れ様」
部屋へ戻るとお茶を淹れ二人に渡す。

「緊張で味しなかった?」
まだ肩に力が入ってる二人の顔を覗き込む。

「「…はい」」

「私も最初の食事は味しなかった」
ふふっと笑うと、つられるように二人は笑ってくれる。

「さぁ、湯浴みに行こうか?秋野に準備は頼んでおいたから」
そう言うと準備をして、湯殿に向かった。

…………………………………………………

「きもち〜〜」
お湯に浸かると二人の顔も少し和らいだ。

「…ごめんね。逆に疲れちゃったかな?」
私は苦笑いする。

「そんな事ないです。こんな事、これから先一度だってないと思うから…」
梓がそう言うと隣で春も頷く。

「私は一回は嫌だな」
その言葉に二人はビックリした様に目を見開く。

「ダメかな?私ね。兄弟が居ないから、二人を妹みたいに思ってる。
甘えるとか、難しいかもしれないし、日常と知らない事を知るのは後々二人にとってどうなの?って思うけど…時々泊まってくれると嬉しい」
私は素直な気持ちを二人に告げる。

「あっ。勿論、ご飯は別にするね」
おどけて告げると二人はふふっと笑う。

「梓、春。なお様はこうと決めたら譲らないから、反対しても無理ですよ」

「えー。秋野。イヤなら無理させないよ」
私は秋野に反論する。

「でも、もう次の日を考えてらっしゃるでしょう?」
その言葉に私は二の句が告げれなかった。


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