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『イケメン戦国』〜生きる〜

第12章 初恋


第三者目線

「…と言うわけなんです…」
自分1人では手に負えないと思った家康は、秋野になおを任せ、秀吉の御殿へと足を運んでいた。

運良くというか、悪くというか、所用で来ていた光秀や政宗元々側にいた三成に、家康は相談をした。

「そこまでなっても分からないという事は、相当のたわけか、本当に知らないか…だな。」
光秀はあっさりと言い放つ。

「なおの生い立ちを知らないから何とも言えないが…分からないのだろうな…」
秀吉の言葉に皆が頷く中

「何が分からないのですか?」
三成はニコニコと皆に問いかける。

「…お前は黙ってろ」
家康は心底嫌そうにしている。

「はっ!ここにも居たな分からないやつが!」
政宗は愉快そうに声を上げ笑う。

「…?」
ニコニコと笑う三成をほっておいて、話を進める。

「なおは初めて人を好きになったのか…」
秀吉の呟きに三成以外は

『それしかないだろう』
心の中で一様に頷く。

「しかし、それを俺たちが教えんのも変な話だろ…どうすんだ」
政宗の言葉に皆が黙り込む。

「…それに、それがなおとって良いことなのか…」

「そりゃあ、良いことだろう?2人とも思い合ってて何が悪いことがあるんだ?」
口を濁す秀吉に政宗は詰め寄る。

「何か隠してんのか?」
秀吉は先のことも考え口を開く。

「隠してた訳ではないが…皆も分かってると思うが…なおは500年先の世から来た。
一度お屋形様と話をした時に、なおは『今は帰りたくない』と言ったんだ…」

「今は…か…」

「なおはここに来て良くやってると思う。お前達ならどうだ?ここでない世に突然行って…俺には耐えられそうにない。
だから…」
秀吉が言葉を続けなくても、皆は分かっているかの様にまた沈黙が訪れる。

「このまま、そっと見守っては駄目ですか?」
不意に声をかけられ皆は声の主を見た。
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