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『イケメン戦国』〜生きる〜

第10章 解き放たれる心


なお目線

『う〜。頭が痛いし、気持ち悪い。これが二日酔いか〜』
私は次の日、最悪な目覚めを迎えた。

「なお様」

「はーい」
返事をすると秋野が部屋に入ってきた。

「ふふっ。二日酔いですか?」

「うん。気持ち悪いの」

「家康様から薬湯を預かってきました。何か口に出来ますか?」

「何も食べたくない…」

「では、薬湯だけ飲みましょう」
秋野は私をゆっくりと起こしてくれる。
渡された薬をゆっくりと飲み干す。

「にが〜い…」

「これからは、気をつけてお呑みになって下さいね」
秋野は私を褥に横にしてくれながら、微笑む。

「如何されましたか?」

「あのね。私、呑み始めてから少ししてからの記憶がなくて…何もなかった?」
微かな不安を口にする。

「大丈夫ですよ。誰にも何もされてません。なお様はたくさんしてましたけど」

「えっ!何したの?」
私はその内容が気になってまた起き上がり、クラクラとする頭を押さえる。

「そんなに慌てると…」

「ねぇ。私何したの?」

秋野はクスリと笑うと、昨日の私の様子を教えてくれた。

「……みんなに謝らなきゃ」

「大丈夫ですよ。皆さん楽しまれておられましたから」

「でも、酷いよ。私。人には触るなって言ってて、逆は…」

「それだけ、なお様が皆様に心を許されてると言う事だと思いますよ。皆様もそれがとても嬉しそうでしたよ」
秋野は私の頭を撫でながら話してくれる。

「それと…なお様の歌を聴かせて頂きました」

「えっ?」

「とても綺麗な歌声でしたよ。また、聴かせて頂けますか?」

「………」

「なお様?」
私は顔が段々と熱を持つのを感じる。

「なお様は歌がお好きですか?」

「うん。歌ってると楽しくて、嫌な事忘れられたから…お母さんも大好きでよく2人で歌ってたの」

「そうなんですね。とてもお綺麗でしたよ」
私の顔が紅くなるのを楽しむ様に、秋野は微笑みながら呟く。

「少しお休みになって下さい。今日はお休みを頂いて居ますから…ね。」

「わかった。おやすみなさい」
私は色々な事が頭に回るけど、考えがまとまらず、秋野の提案を大人しく受け取ることにした。

『みんなに謝らなきゃ。恥ずかしいけど…』
そう考えながら眠りについた。
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