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『イケメン戦国』〜生きる〜

第8章 再会


佐助目線

『やっと…逢えた』
腕の中で泣き続けるなおちゃんを強く抱きしめる。

「無事で良かった。この時代にいてくれて良かった」
そう呟くとなおちゃんが顔を上げた。

「佐助兄…どうして?どうしてここにいるの?」
心底不思議そうに尋ねる。

「ごめん。時間がないから、そこはまた今度話すね」

「…わかった。でも、逢えて嬉しい……」
納得はしてないのは分かるが、なおちゃんはそう言ってくれる。

「…後……ごめんなさい」
また、俺の胸に顔を埋め小さく呟く。

「いいよ。無事でいてくれたから…生きてて良かった」

「本当にごめんなさい」

「何でこんな事したのかも、知ってるから…」

その言葉になおちゃんの身体がビクンと震える。

「俺こそごめん…気付いてあげれなくて…」

「そんなこと!私が悪いの…油断して…また…」
涙がポロポロと綺麗な眼から流れている。

そっと抱きしめると、背中をゆっくりとさする。

「ここにはいつ来たの?」

「…もう直ぐ一カ月くらいだと思う」

「大丈夫?」

「うん。お母さんとお兄ちゃんが出来たよ」

「そっか…」

「佐助兄は?いつ来たの」

「もう四年くらい経つかな…」

なおちゃんが、顔を上げる。

「そんなにいるの?」

「うん。こっちで忍びをして生計を立ててる」

「仕事なの?」

「仕事といえば仕事かな?半分は趣味?」

「相変わらずだね…私は全然ダメだな」
そう言って肩口を見る。

「…どこに居ても…人に迷惑ばかりかけてるよ…」
笑っているけど、淋しそうな…切なそうな顔。

「そのうち、俺の側に連れていくから…だから、あまりこちらに馴染まなくていいよ」
また、なおちゃんを抱きしめる。

「…怪我した時、助けられなくてごめん。見てたのに手を出せる状況じゃなかったから…。でも、戦場に来てくれたお陰でなおちゃんを見つけられた」

「…逢えて嬉しい。また、逢えるなんて思ってなかったけど…でも、嬉しい。探して、くれたんだよね…ありがとう」

「また、近いうちに逢いに来る。時間切れみたいだ。俺のことは、誰にも言わないで…じゃ」

すっと身体を離すと、俺は天井裏と戻った。



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