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『イケメン戦国』〜生きる〜

第29章 一緒に…


第三者目線

信長はなおを、天主に準備させておいた褥に優しく横たえる。

「貴様はここで寝ておれ」
そう言うと、その横に文机を運び書簡に目を通して始めた。

「どうした?寝れぬか」
ふと、視線を感じて目を向けぬままなおに問いかける。

「ごめんなさい…こうやって信長様を見ているのが久しぶりで、嬉しくて…お邪魔ですか」
なおは小さく呟く。

『愛らしい事を言う』
信長はふっと笑みを漏らすと、なおの顔を見つめる。

「俺はずっと見つめておったぞ。貴様は見てはくれなんだがな」
その愛らしさに、ついいじわるを言ってしまう。

「…ごめんなさい」
哀しそうな顔を伏せるなお。

『そんな顔をさせるつもりはなかった…』
信長はなおをそっと抱き起こすと、しっかりと抱き締める。

「すまん…言いすぎた」
信長はなおの潤んだ目元にそっとキスをする。
そのまま、頰に額にキスをしていく。

「信長様…」
呼ぶ声に応えるように、唇にキスをする。

「少し寝ていろ…」
信長は、もう一度キスをするとなおを褥に横たえる。

「昼餉には起こしてやる」
目にそっと手を当て、頭を撫でてやるとそのうち、規則的な寝息が聞こえ始める。

それを見て、信長はまた文机にある書簡に目を落とした。


………………………………………………

昼餉に時刻が迫る頃、政宗は公務そっちのけでなおの為の料理を作っていた。

「政宗さん」
その声に振り向くと、少々不機嫌そうな家康の姿が見えた。

「おっ。どうした」
味見をしながら声をかける。

「なおが天主に移ったから、知らせに来ました」

「それだけで、何でそんなに不機嫌なんだ」
ふっと笑いながら問いかけると、不機嫌さが増した家康は、はあっと重い溜息をつく。

「…信長様が、懐妊中も伽は出来るのかって聞きにくるから…」
ブツブツと呟く家康。

「ははっ。そりゃ仕方ねーだろーよ。やっとなおが戻ったんだ……本当に良かったよな…」
政宗は膳に色々と盛り付けながら、最後はしみじみと言う。

「…そうですね。でも、無理は禁物なのに…あの人は…」
家康は深い溜息をついた。




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