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『イケメン戦国』〜生きる〜

第16章 両想い


第三者目線

「私…私も、信長様が好きです」
信長は真っ直ぐに眼を見つめ伝えられた言葉に、暫く息をすることを忘れた。

「…信長様?」
返答のない信長になおは声をかける。

「…」
信長は一つ息を吐き、なおをそっと抱き締める。

それに答える様になおは信長の身体に手をそっとまわした。

お互いのぬくもりを感じ、与え合う様に二人は抱きしめ合っていた。

「なお…もっと触れてもいいか、貴様をもっと感じたい」

なおはその言葉に、少し身を硬くする。

「…なお…そういう意味ではない。こういう事だ」
信長は、頭をそっと撫でる。

「ごめんなさい」

「謝ることはない…それも含めて貴様が愛おしいのだ」
信長の言葉に、なおの目から涙が溢れる。

その涙に吸い寄せられる様に、信長は瞼に唇を落とす。

「…つっ」
なおは自然なその行動に抵抗はなかったが、恥ずかしさに息を飲んだ。

「…すまぬ」
それを拒絶と勘違いした信長は、なおから身体を離す。

『言った先から…俺は何をしているのだ』
大事にしたいと思う。
だが、それ以上に愛おしさが増し、抑えきれない欲求が溢れるのを止められなかった。

「信長様…ごめんなさい」
なおは、離れてしまったぬくもりを乞う様に、信長の身体にしがみつくように抱きついた。

「貴様が謝る事ではない…」
自分の我慢の利かなさ、なおに謝らせてしまう不甲斐なさに、信長は苛立つ。

なおは、信長の顔に手を添える。

「信長様…キスしてください」

「きす?」
聞き慣れない言葉に一瞬思考が止まる。

『確か、政宗にその様な言葉を…』
信長は満月の宴を想い出す。

「…良いのか」
信長はなおの頰に手を添える。

なおはそれに答えず、ゆっくりと目を閉じた。

信長はそっとなおの前髪をかき上げると、額に一つ口付けを落とす。

「信長様…」
なおは信長の勘違いに気付き、頰に添えられた手をそっと握り、自らの唇に寄せる。

「本当のキスは、ここにするものです」
顔が紅くなり、心臓がドキドキと音を上げていく。






『唯一の初めてを…信長様に…』











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