第24章 HAPPY? (逆ハー)
ダンテはソファに寝そべりバージルに手伝いを急かされ、バージルはいつものように夕食の準備。
二人が席についた時を見計らって、そっと目の前にチョコを置いた。
「これ…ドウゾ」
改めて渡すとなると恥ずかしいものだ。二人の顔を見るのが怖い。
俯く瞬間ダンテが驚いた顔をしたのは見えたが、それから顔が上げられない。
と、誰かがに身体を寄せた。顔を上げると端正な顔が案外近くにあって驚く。
二人とも今日は髪を下ろしていたが、表情からダンテだと分かった。
「ありがとな、」
嬉しそうに、嬉しそうに、それはそれは嬉しそうに笑って。いつものはしゃいだ声ではなく、落ち着いた低い声で。
そんなダンテは見た事がなくて、逆にが驚いていると。
「かーわい」
片腕で抱き締められ、頬と頬が懐き合うように寄せられ。
あまりに唐突で逃げ場がなく、ごろごろと甘えるダンテに嫌でも慌てる。
すると。
「死ね」
「うおっつ! あぶね!」
バージルの閻魔刀が飛んできてダンテはを庇い避けた。
ああ、案の定というか…大方予想のつく展開ね。この後が目に見える。
ダンテの大きく逞しい腕の中、は思った。
「やはりあの時殺しておくべきだったな」
「おー何だやんのか!今の俺は負けねーぜ!」
を奪われないよう後ろに隠しつつ、拳を構えるダンテ。
しかし対するバージルは、敵意が失せたようだった。
いつもならこのまま殺し合いのような喧嘩が始まるのに。ならずダンテまでもそれに驚き、瞬く。