第40章 開始のチャイム (学園パロ逆ハー)
「重いだろ。持ってやるよプリント。ったく可愛いに重てーもん持たせるなんてひどい教師もいたもんだよなー」
二人についてくる。は困惑の極みで何も言えず、ただダンテとバージルの背中を見比べた。
手を差し出して持とうとするダンテに戸惑い、はされるがままに。プリントにダンテが手をかけた瞬間。
前を歩いていたバージルがそれを横取りした。
「…………」
ぎっとダンテを睨み付け、すたすたと歩くバージル。
あの、それじゃあ私は何の為に。
呆然とするの耳に、まるで助けるかのように授業開始のチャイムが響いた。何となくほっとしては肩の力を抜く。
いくらダンテといえどさすがに授業に行かなければならないだろう。ちらりと見ると、苦そうな嫌そうな顔をしていた。
「鳴ったぞ。早く行け」
「わぁったよ。行きゃいいんだろ!」
投げやり気味に行ったダンテは、ぱしりとの腕を掴んだ。思わず足を止めた彼女に言う。
「、放課後俺んとこ来い。話がある」
「え…はい」
うなずくと、満足そうに笑んで手を離し、去って行った。
「バージルのバーカ!」
捨て台詞を残して。
教師があんな子供っぽくていいのだろうか。
は少しの間その姿を見送っていたが、前を行くバージルは歩調を緩めているはずもなく置いてけぼり。慌てて後を追う。
話ってなんだろうと、わかるはずもないのに考えた。
放課後。
約束通りダンテのもとへ向かおうとしたに、「あいつに用があるから連れていけ」とバージルが声をかけた。
何だかデジャヴを感じずにはいられないだった。
2008/04/23