第24章 HAPPY? (逆ハー)
「今年のチョコ俺にくれるよな!」
そう言うダンテは超自信満々に笑顔で問いかけ。
「勘違いも甚だしいな。が貴様などにやるわけがないだろう」
そう言うバージルはここ最近の周りを無意味にうろついていて。
これはどう考えてもそう考えてもこう考えてもああ考えても、チョコを期待しているような。
自意識過剰だったらすみません。
ダンテはすぐ口に出す為わかりやすくていいのだが、バージルはそこはかとなくわかりにくい。
なんとなく、最近よく近くに来る。
もしかして、と思ったのは2、3日前。そして今日はバレンタイン。
ダンテは今まで以上に「チョコ!」を連発し、バージルはそれにキレ気味になっているのだった。
まあもちろん、いつも世話になり大好きでもある二人なのだし、チョコはある。
手作りで二人分。二人が出かけている間に作ったのでダンテは気づいていないだろうが、キッチンを使うバージルは気づいたかもしれない。
そんな中迎えたバレンタイン当日。
朝から渡そう渡そうとは思っているのだが、一挙一動に注目する二人からの視線を直に感じ…渡し辛くなっているのだった。
「はあ…」
もう夜だ。こんな事をしていても仕方がない。
いくら悩んでも渡さなければならないのだし、夕飯の前に渡してしまおう。
決意して、立ち上がる。
自分でラッピングした袋二つを持って部屋を出た。