第23章 水色の思い出 (逆ハー)
二人の余りに鮮やかな脅迫に、恐怖も忘れてはぽかんとする。
背中のダンテが長いため息をつき、ぎゅっとを抱き締めた。
「びびった…!」
「一人にするべきではなかったな。貴様のせいだぞ」
「俺かよ!」
「他に誰が?」
「あんただって………っ」
二の句が継げず、ダンテは唸る。
をくるんとひっくり返して自分の方に向かせた。
安心させるように、安心するように、その華奢な身体に腕を回す。
「一人にして悪かった。怪我してないか?」
「う…うん。大丈夫…」
「本当だな?どこも触られてないな?」
「平気。それよりバージルの刀の方が心配…」
「問題ない、あれは物体ではないからな。それよりもお前の方が大事だ」
即答で返される。その声には安心感があって、心配させてしまったと申し訳なくなった。
「………ありがとう、助けてくれて」
「当たり前だっつの!何ともなくて良かったぜ」
微笑むダンテに、も笑みを返す。
恐怖は既に消えていた。