第2章 Voice the Voice
「わ…っ」
途端に密着する身体。
触れ合う肌。
温かい体温。
そのすべても、愛しい。
バージルは身体を硬直させているにささやいた。
「俺の名を呼べ」
「へ…なま え?」
間近での瞳を見つめる。
そのせいでは思考がままならないようで。知っていて、バージルは視線を外さない。
「呼べ」
「………バージル…」
「もっと」
「…バージル…」
あぁ。
やはりお前の声は、どんなに美しい声にも勝る。
名を呼ばれただけで、寒気にも似た喜びが走る。もっと聞いていたい。もっと話して欲しい。
お前の事なら、何だって聞きたい。
「もっと呼べ」
「バージル…」
「もっとだ」
「バ…っ ふ…」