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【DMC】バージル夢短編集

第2章 Voice the Voice



自分の名を呼ぶ唇に触れたくて、口付ける。
自分の名をなぞる舌に触れたくて、絡める。

「…ん… ふぁ は…っ」

の声を聞くだけで捕われる。
それはまるで魔術のように。

―――魔術に引っかかる悪魔など、笑えんな…

しかしそれは確かに事実で。
その声をつむぐ唇に触れ、舌に絡めていると思うと胸が高まる。
悦びと慶びと歓びと喜びが混じる。

「ふ…はっ ぁ…」

くぐもった声は更にバージルを高鳴らせ。


最後にの唇を吸って、音を立てて顔を離すと。
は恥ずかしそうに目も合わせず、バージルの肩にもたれかかった。

「びっくりした…」

「なぜだ」

「だって、同じ事言ったから」

意味が掴めず、バージルは肩のに顔を傾ける。

「私も、バージルの声好きだよ。名前呼ばれると…ドキドキする」

「…………」

バージルは少し黙ってから、の身体をそっと離した。

「?」

口付けのせいかの瞳は艶っぽく。
バージルはその瞳に吸い込まれるような感覚を覚える。

「覚悟しておけ」

「…えっ? な 何が? 何で?」

バージルは再び顔を近付け、の額に唇を落とす。

「お前がそんなに可愛い事を言うからだ」

そうして唇は次第に下降し。
はいつの間にか、ベッドに横たえられていた。


声は魔法。
言葉は鎖。
優しいお前の魔術になら、俺は何度でも捕われよう。




2006/11/27
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