第18章 支える手
「馬鹿だ…」
走って走って薬局で火傷の薬を買った後、私は頭を落ち着かせる為に家から少し遠い公園に来ていた。ぼうっとベンチに座る。
火傷の薬を患部に塗ったはいいものの、十分に冷やさなかったせいかじんじんと熱い。
仕方ないので缶ジュースを当てていた。
「バージル怒るかなあ…」
家を飛び出す直前に見たバージルの顔が浮かぶ。驚いたような表情。
真面目な彼の事だ。帰ったらきっと怒られる。
馬鹿な事したなあ、と思い、知らずため息が出た。
出来る事が少ないなんて今の現状に嘆くだけなら誰にでも出来る。バージルにはできなくて私には出来る事を見つければいいだけの話だったのに。
だけど。
「私何も出来なさすぎて、全然いる意味ないよ…」
「何を言う」
突然背後から声がして、私はバッと振り返った。
信じられない。バージルが立っている。
なんで、と呆然としていると、バージルは可笑しそうに少し笑った。