第1章 MILK CANDY
バージルの唇に残っていた飴の味が、に伝わる。
は驚きで反応を返せず、その間にバージルは舌で飴を動かし、の唇に触れさせた。
「………」
バージルは目を開き、口を開けろ、という視線でを見る 。
その視線ではようやく事態に気づいた。頭の中が真っ白になる。氷のような瞳が私の瞳を刺し貫いている。
「やめて」と言おうとして思わず口を開いた。
その瞬間、待ちわびたように飴がの口に捩じ込まれる。
「んぁ…っ」
はバージルの舌が飴と共に入って来た事に耐えられなくなり、力が抜けてバージルの服にしがみついた。
バージルはが崩れ落ちないようもう片方の腕をの腰に回し、力強く引き寄せる。
柔らかく熱い唇だ。こんな甘さなら悪くない。むしろもっと。
もっと。
の後頭部に回した手に力を込め、自分に押しつける。
「ふ…… やっ…」
欲しい。
彼女の戸惑った甘い声。縋り付く手。その体温。
どれもこれもに欲情を抱く自分に、笑いが漏れる。
俺はこんなにもあさましい男だったか。
の口の中で飴をも転がし、一応は味わえるように押し付けた後、、バージルはの舌に自分の舌を絡め始めた。
「んぅ… は……ぁっ」
ミルク味に染まったの舌は、混乱のためかバージルの舌を拒もうとしない。
その無防備な舌を吸い、擽り、根本までねぶって甘さを飲む。
舌を動かす度飴がの歯に当たり、からころと小さく音を立てた。それを聞きながら、バージルは口内を翻弄し、息を交わらせる。