第36章 小さな親切 (ダンテ子供化ギャグ)
ダンテは剣と双銃を床に置いた。
よろつきながら端に追いやり、ダンテとを見比べる。
だっこ、とばかりに腕を持ち上げたダンテにバージルは言った。
「自分で歩け。どうせ自業自得だろう」
「ひでー! 俺頑張ったんだぞ! ー運んでくれよー」
「え…えっと……」
見た目は子供だが、中身は確かに立派な大人なのだ。
抱き上げるのはどうにも気が引けて、は遠慮するように離れた。
ダンテはそれに、更に不機嫌そうな顔になる。
「んだよ優しくねーな。わかったよ自分で歩いてやるよ!」
ふてくされながらもズボンを持ち上げて歩き出すが、歩幅が小さい上にコートやズボンの端が足にひっかかってたまらない。
数歩歩くとすぐに、べしゃっと転んだ。
「かわいいっっダンテ頑張って…!」
遠目で見ながら拳を握る。
ダンテは顔を上げて恨めしそうに彼女を見、小さな腕で身体を持ち上げた。
「ちっくしょ…そう思うなら手伝ってくれよ!」
「それは別。見てる方が楽しい」
「鬼!」
「ほらぁ泣かないの。男の子でしょ!」
「誰が泣くか! 子供扱いすんな!」
ひょっとまた起き上がり、怒ったように大股で歩き出す。
ずるずる引きずって歩く姿に、もバージルも笑わずにはいられなかった。
やがて、ダンテはようやくソファに辿り着き、よじ登るようにソファに上がった。
バージルは待ちわびたような顔をして小さなダンテを見つめ、観察し、半ば笑いをこらえながら口を開いた。
「それで? どうしてそんな愉快な事になった」
「…えっとー……」
少々気まずい思いがあったが、隠しても仕方のない事だ。
ダンテは包み隠さず話した。