第36章 小さな親切 (ダンテ子供化ギャグ)
長い真っ赤なコート。
大きな大剣。
黒と銀の、2丁の双銃。
「………」
まさか。
まさか、そんな事が。
にわかに信じられなかったが、見れば見るほどそうとしか考えられない。バージルはゆっくりとドアに近づき、の隣に立ち。
見た途端、自分の予想が正しかったと確信。
と同じように見下ろして、言葉を失った。
さらさらの銀髪にアイスブルーの瞳。
幼いながらも抜群に整った顔立ち。ただし顰め面だが。
見間違えようもない。
「…ダンテか…?」
見た目5、6歳くらいになったダンテが、不機嫌そうに顔をしかめながらそこにいた。
「わかってくれて嬉しいね。誰だと言われたらどうしようかと思ったぜ」
おどけた調子で、小さいダンテ。その仕草はいつもと何ら変わりはないのに。
「ならば聞く。誰だ」
「おい! ふざけんなよ俺に決まってんだろ!」
ダンテは腕を動かすが、身体が小さくなっていてコートの袖から手が出ていない。
それを見たはあまりの可愛さに吹き出した。
「やだかわいー!どうしたのダンテ!」
「てめっ! 笑うんじゃねえよ!」
「だ、だって…ちっちゃいのに、動きも口調もいつもとおんなじなんだもん…ふふっ」
まるでませた子供だ。
ダンテは面白がるを見て撫然とした。
「ったく冗談じゃないぜ。こんなちっこくなっちまって、コートは脱げるわズボンも大きくて歩きにくいわパンツも…」
「脱げたのか」
「あぁ。だから今左手でズボン押さえて右手で持って…」
「やー言わないで! 寄らないで!」
は耳を塞いで後ずさった。
冗談じゃないのはこっちだ。つまり今ダンテはノーパンで、脱ぎたてのパンツを手に持っているということになる。
ダンテは、遠ざかったを見て少し悲しそうな顔をした。
「逃げんなよ。俺だってもうどうしたらいいのかわかんねーよ」
「とりあえずどうしてそうなったのか説明しろ。悪魔にでもやられたのか?」
「いや…えっと……。ていうかそんなら俺運んでくれよ。もう疲れた」