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【DMC】バージル夢短編集

第30章 PARTY NIGHT (逆ハー)





「冗談じゃないぜ」

大きなホール。それを見渡しながら、ダンテは心の底から呟いた。

テーブルに並べられた料理の数々。彩りも豊かで美しく、いい香りが漂っている。
どれも一流コックに作らせたものだということで、結構なご馳走であった。

しかし。

「こんなに大きくやるなんて聞いてねえぞ!」

お金持ち特有の謙遜と嫌味。
招待状には、「ささやかなパーティー」と書いてあったのに。
ダンテは舌打ちした。


「ったく…これだから金持ちは嫌なんだよ。
こんなもんがささやかだったら、俺ん家で開くパーティーなんざカス以下だぜ!」

「まぁまぁ」

いきり立つダンテをがいさめる。といっても、彼女自身も驚いていた。
謙遜だろうとは思っていたが、ここまでとは思わなかったというのが本音だ。

「別に大きなパーティーだからといって、焦る必要はないだろう。今日の主役は俺達だ」

パーティーがなぜか堂に入っているバージル。
近くのテーブルから、手慣れた仕草で料理を皿によそう。そしてその皿をに差し出した。

「」

「へ? あ、ありがと」

根っからの紳士なのだろうか。
飲み物をついでくれたりナフキンを用意したりと、バージルのささやかな気配りには惚れ惚れとする。

「何かかっこいいね、バージル」

そう言うと、彼は照れたように横を向いた。
耳がほんのりと赤い。
はバージルが照れているのが面白くて、くすくす笑ってバージルを覗き込んだ。

「どうしたの」

「…別に」

その様子を面白くなさそうに見ているのは、もちろんダンテだ。
面倒くさい事は嫌いなダンテが、マナーでにいい所を見せるのは無理に近い。

―――だから乗る気しなかったんだよな…。フォークだのナイフだのの使い方に気ぃ遣うくらいなら、家でパーティーしてた方がマシってもんだぜ。

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