第30章 PARTY NIGHT (逆ハー)
「どうする? 行くならそれしか方法はないぜ」
「安心しろ。絶対落とさないよう掴んでいてやる」
急かすように二人が言う。
もうドレスも着たし、二人はスーツも着ている。最初は渋っていたダンテも、行く気満々のようだ。
ダンテは最初からバイクで行くと決めていたようで、バイクのキーを指に引っかけ、くるくる回している。
それに、何と言っても久しぶりのご馳走。
―――もう!
は空腹に負けた。
「行く!」
「よし。そう来なくっちゃな」
それを聞いて、バージルが肘を折った腕を少し前に出しを見た。
「?」
何なのかわからず、バージルを見て瞬く。
その反対側で、ダンテがバージルの行動に気づいてにやりと笑った。
楽しそうな笑顔。
余裕の表情。
ダンテも、に腕を出す。
少し遅れて、はようやくその意味を捉えた。
エスコートするつもりなのだ。
くすりと笑い、両腕を二人の腕に絡める。
―――贅沢だなぁ
二人の腕にそっと絡めた自分の腕を見て、思う。
こんなに格好いい二人に挟まれ、エスコートされ。は嬉しさと恥ずかしさの入り混じった気持ちで、ダンテのバイクのもとへ向かった。