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【DMC】バージル夢短編集

第29章 悪魔よりも強い人 (逆ハー)



は少し考えると、バージルの腕を掴んで引っ張った。
泣く寸前のダンテの腕もつかみ、ぎゅっと絡める。

「私の腕は2本あるんだから、二人の手繋げばいいでしょ」

二人の主張を受け入れる名案だ。しかし二人は、当たり前のように言ってのけた。

「それは嫌だ。の身体は全部俺んだ」

「同感だな。は全て俺のものだ」

「変なとこで同調しないでよ…」

一気に疲れた。は落胆する。
二人の独占欲は、そんな半端なものではなかったらしい。


「おい。バージルの腕離せよ。買い物行こーぜ」

「ほざけ。貴様なんぞと買い物に行かせたら、が危ないだろう」

「あんたといた方が危ないだろ」

また喧嘩。
しかもが挟まれているあたり、最初と事態は変わっていない。

「はぁあ…」

はわざとらしく大きなため息をつくが、二人はそれに気付かない。
結局自分の欲を満たしたいのだ。そこに私の意見は入る余地がないらしい。

「やはり腕で叩き込むしかないようだな」

「気が合うな。俺もそう思ってたとこだ」

「手加減はしない」

「されても困るぜ」

ついに拳を握り、構え始めた。それに、の堪忍袋の尾も切れる。

「いい加減にしてよ…」

低い声。
聞き逃しそうな声だったが、その雰囲気に二人は動きを止めた。
が怒っていると気づき、恐る恐る顔色を伺う。が。

「いい加減にしてよ! 散々間に挟んで振り回しといて、今度は私放って殴り合い?」

「…、」

「もういい。買い物もどこにも行かない、一人でいる! 私の意見なんか誰も聞いてくれないし、まるでお気に入りのおもちゃも同然の扱いなんだもの。子供っぽい取り合いして…二人とも嫌い!」

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