第2章 第一話「純白」
トントンッ
「三番隊隊長様、六番隊より書類をお持ちいたしました。」
どうぞと返事をすると赤い髪が鮮やかな吉良と年の変わらない青年が入って来る
「六番隊副隊長阿散井恋次です」
「六番隊…白哉兄様の所の方ですね、ありがとうございます」
「ん?うちの隊長と知り合いで?」
「はい、昔から家が近く親しくさせて頂いています。」
書類を渡され中を見れば隊長印いる書類ばかりであった
「こちらここに印を押せば宜しいのでしょうか?」
「あ?あ…はいそうっす!えっと…」
「あ、申し遅れました、九条純白と申します、阿散井さんより下っ端ですので純白でいいですよ?」
「え、そんな訳いかないっすよ、純白隊長!俺も恋次でいいっすよ」
「ではその純白隊長で…はい、恋次さん」
数分の間に仲良くなってしまった2人のコミニケーション能力の高さに目を丸くして驚いていた吉良がようやく話に入って来る
「九条隊長…名前で呼びあうのはいかがなものかと……」
「あら……ダメなんですか?」
「ケチくせーな!吉良!」
「な!ダメ…じゃないですけど…」
「吉良副隊長、貴方の事もイヅルと呼んではダメ?」
純白が自分の名前を読んだその一瞬目の前に市丸ギンが現れたようぬ見え、慌てて顔を振る
「どうしたんですか?」
「あ、いえ!大丈夫です…」
「貴方も純白隊長と呼んでくださいね、イヅル」
「は、はい…純白隊長」
「じゃ、俺行くっすね!純白隊長!」
パタパタと走って行く恋次を見送り扉を閉める
「く、九条隊長…!」
「……忘れたの?「純白隊長」よ、イヅル」
「あ……はい」
名前で呼ばれるのに慣れない
どうしてもあの人の姿がチラついてしまう
そう思いながら吉良は純白の後ろ姿を前任の隊長と重ねてしまう