第2章 出会いと祝福
―――翌日―――
『(昨日の光景がずっと頭の中に…。またできたなら…)』
昨日のことを思いながらボーっとしていた
『………』
手元には昨日もらった公演のチラシ
『…観に…行ってみようかな……』
観に行くだけなら…
出かける準備をして家を出た
―――――
『わぁ…すごい人…』
ビロードウェイには女性たちが溢れていた
『えっと…MANKAI…カンパニーは…』
地図を見ながら劇場へ向かう
『あ、ここだ…』
ここも女性客で溢れていた
『すごいなぁ…人気なんだ…』
椋「白雪さん…!」
『…?』
声が聞こえて辺りを見回す
劇場の陰で椋が手招きしていた
『椋さん…!』
椋「えへへ、この前、来てくれるって言ってくれたのにチケットを渡すのを忘れてしまって…」
『どうやって買うのか聞こうと思っていたところでした』
椋「これ、今日のチケットです!」
『それ…今日の衣装ですか…?』
椋「あ、はい!幸くんが作ってくれたんです!」
『とってもよく似合ってます。観るのが楽しみです』
椋「えへへ…。舞台の上で待ってますね!」
『はいっ』
椋は行ってしまった
『あとでちゃんとお金払わなきゃ…』
コヨミは劇場の中へ入った
―――――
あっという間に時間は過ぎて最後の挨拶になった
椋はコヨミの方を向いて微笑んだ
その笑みにコヨミも微笑み返した
『(楽しかった…ホントに…。お話の内容も…演じてるみんなも…。いいなぁ…)』
劇場からお客さんがみんないなくなる
『(そろそろ帰ろう…)』
椋「白雪さん!」
『椋さん…!お疲れ様でした』
椋「最後まで観てくれてありがとうございます!どうでしたか…??」
『とっても面白かったです!コメディなんですね、お話の内容も、演じてるみんなを観てるのも楽しかったです!』
椋「嬉しいです…!そんなふうに言ってもらえると…!」
『観にきていた人はみんな思ったと思いますよ。笑顔が溢れていましたから!』
椋「…っ///」
『椋さん…?』
椋「あ!ありがとうございます!また観にきてくれますか…?」