第2章 出会いと祝福
真奈の指差す方を見ると、そこには2人組の男性2人が即興劇を行っていた
「俺は行かなきゃならない…」
「どうして…!何でお前が行かなきゃいけないんだ!だったら俺が…!!」
「ダメだ!!お前には…!!」
真奈「小さな劇団がいくつもあって、こうやって即興劇やって投げ銭で稼いだり次の公演の紙配ったりしてるんだってさ」
『へぇ…すごいね…』
真奈「……あんたもやってみたら?」
『えっ!?』
真奈「ここで歌ってみたら?どっかの劇団に声かけられるかもよ?」
『な、ないない!!』
真奈「歌上手くて可愛くてなら入れるでしょ」
『…そんなにこの世界は甘くないよ』
真奈「コヨミ…?」
『行こ!どこだっけ!』
真奈「あ、ちょっ…」
『ここだ!わぁ~可愛い!』
真奈「(半分以上本気で言ったんだけどな…。やっぱ自分の人見知りと…あのことがコンプレックスなんだろうな)」
『これ!真奈に似合いそう!』
真奈「こっちはコヨミかな」
『お揃いにしちゃおうよ!』
真奈「はいはい…」
あっという間に外は暗くなっていく
『わ、もうこんなに…』
真奈「早く帰るか」
『うん』
家に着いてお風呂へ入り、少し勉強してからベッドに入る
『(ストリートACT…だっけ…。楽しそうだったな…)』
自分じゃない誰かを演じるのは大好き
歌も大好き
『私には…無理だよ…』
いろいろなことを考えているうちにまぶたが閉じられていった
―――翌日―――
今日は休日
『どうしようかな…』
休日と言ってもやることがない
『……ビロードウェイ…』
昨日のあの光景が忘れられない
『…少しだけ』
着替えて電車を乗り継ぎ、ビロードウェイへ向かう
休日ということもあり、人が賑わう
女性が多い
『わぁ…』
「よかったら公演観に来てください!」
『!!』
コヨミの目の前にチラシが
『あ、あ、ありがとうございます!!』
コヨミはチラシを受け取って逃げた
『はぁはぁ…』
息を整えてチラシを見た
『GOD座…?』