第4章 彼女への感情
いつからだろうか
彼女の笑顔が、仕草一つ一つが、存在が、俺にとっては憎くて憎くて仕方がなかった。
感じ始めた時は、付き合い始めてある程度時間が立っているから彼女の行動に一喜一憂しなくなっただけだと思っていた。いずれは憎い感情など消えると思っていた。
でも彼女へのその感情は大きくなるばかりで。俺は彼女を避けるようになった。
「せいいち、最近私のこと避けてない?」
彼女と学校でばったりあってしまった時、逃げようと思ったが彼女に腕を掴まれ人気のない場所へ連れていかれてしまい。1番聞かれたくないことを聞かれてしまった。
「ねぇ、せいいち私なんかした?」
不安に包まれ、今にも泣きそうな顔。震えた声。
「せいいち、お願い答えてよ。」
不思議と憎い感情は一つもなく逆に今すぐ彼女を抱きしめたいと思った。
彼女は徐々に顔を歪ませ嗚咽と共に綺麗な瞳から涙が一つ、二つと増えてゆき、赤い頬を濡らしてゆく。
「せいいち…うっ…ひっく…」
「ほのか、」
今までに感じたことのない感情が俺を支配した。彼女の涙を、歪んだ顔をもっともっと見たいと思った。ずっと永遠に。
その後何が起きたかは分からないが
俺は何故か笑っていて、
苦痛に顔を歪ませる君の顔はしっかりと覚えていた。
気がついたらぐったりと倒れている愛するほのかがいる。
「ねぇ、どうしたのほのかもっと俺に君の歪んだ顔を見せてよ。」
返事がない。ずっと目を瞑って俺を無視する。倒れたふりでもしているのか?
「俺から逃げられると思わないでよ。ほのか毎日愛してあげるからね」
俺はこれからの未来を想像して思わず笑ってしまった。
完
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