第4章 彼女への感情
「ほのか」
私の名を呼び近づいてくる。
最初は嬉しかった私は嫌われてなかったんだと。でも距離が縮まる度に精市の顔は優しい笑顔からまるで何かに取り憑かれてしまったような不気味な笑顔へと変わっていった。
「せいいち…?」
「ほのか、もっとその顔見せて…」
急に息が苦しくなった。
何が起こっているのか分からない。
でも精市はとても楽しそうな嬉しそうな顔をしてる。
しかし私は苦痛に顔を歪めているだろう。
精市に首を締められてると気づくのに遅すぎた。
「綺麗だよ、ほのか」
徐々に意識が遠くなっていく。
最後に見えた精市の顔は今までで一番素敵な笑顔だった。
完