第2章 1　箱庭

痙攣する身体を上手く受け止められなくて、強く目を積むってその波に耐える。

その間に何度も何度も触れるだけの口付けを額に、頬に、そして唇に受ける。
熱い熱い、熱を身体の芯に感じながら私はその熱に溺れていた。

抱き締めて欲しいとそう思えば彼の腕に包まれて、口付けを欲しいと願えば舌を絡め乱れる呼吸を奪われる。

求めれば求める程、与えられる快感に押し潰されそうになりながら何時しかやめられないこの行為の終りを拒否し続けてしまう。

何で、どうして。
私を求める彼の意図が分からないとしても、否、だからこそこの行為を終わらせたくなかった。
例え意識が飛んでも、私はこの熱に溺れていたい。

がくがくと揺さぶられて、止まらない、止められない快感に曖昧になった意識が彼を求めて腕を伸ばす。
それに応えてくれる彼にひたすら幸福を感じる。

もう何度目か分からない絶頂と共に、彼の熱を求めてしまった。
中に、中に出して、全部欲しい。
溢れる程に私を彼で埋め尽くして欲しいと、そう願ってしまった。

同時に、吐き出された彼の熱が私の中に流れ込んで恐ろしく強い快楽へと昇らされる。
押し付けられた腰は固定させられたまま、火照った身体に彼の汗が落ちた。

震える身体は絶頂から逃れる方法を忘れてしまったかのようにいつまでもその頂に縛り付けられた。

「あっあぁぁ、っ、や、ぁッひ、んんんんッ！！」

どくどくと、彼の熱を感じ続ける。
もう、そんなに長く出されてなどいないのに、私の奥深くへ流れ込む何かが私を蝕んでいく。
それが、彼の言う力なのだと理解するのは遅くなかった。
ゆっくり波がおさまるとすぐに新しい絶頂へ導かれ、その度にうねるように締め付ける彼のモノが跳ねる。
痙攣するように小刻みに彼を締め付けては、その熱を萎えさせることを許さない。

はあはあと、二人分の荒い息と時折激しくなる快楽に抗うこと無く漏れる私の甘い声だけが響いて、燃えるような青の瞳だけが私を何時までも見下ろしていた。

「、……アンリ、かわいい……本当に、僕を受け入れてくれて……」

背中に差し入れられた腕が私を起こすとそのまま彼の上に座る体勢になる。
己の体重で深く彼を飲み込むと押し上げられる感覚に震えた。

「っ……ねぇ、ずっと、このままこうしてたら……どうなっちゃうと思う……？」