第2章 1 箱庭
なんで、……
彼は動いてすらいないのに、脚は震えて今にもイってしまいそうな程の快楽に支配された。
訳が分からなくて目の前の相手に助けを求めるも、そんな私の思いとは裏腹に、彼は笑って私に口付ける。
「フフ、良く出来ました。」
言い終わるよりも早く、今まで散々焦らしてきた彼が私の中を掻き乱す。
「ひっ、やっああぁっ!!」
びくんっびくん、と体が震えて、私が達した事に気が付くが、彼は構わず私をゆさぶり続ける。
「っぃやあっやああっ!」
突然の刺激に首振って快楽から逃げようとするも、視界に入る空色の瞳に私は動けなくなった。
「ダメだよ。嫌がらないで……大丈夫だから。アンリ、折角君が僕を受け入れてくれた証なんだから……拒絶なんてさせないよ。」
ぐちゃぐちゃと結合部から粘着質な水音が立ち、部屋には私の喘ぎ声が響く。
彼を受け入れたから、彼を求めたからこんなにも気持ちいいの?
身体の変化に心が付いていかない。
それなのに、彼の瞳から目を離すことが出来ない。
再び、絶頂が近付いてくる。
「ああぁっ、だめぇっもう、いく、…いっちゃ、!」
彼にしがみつきながら、近付く波に耐える。
「じゃあ、今度は一緒にイこうか……。」
そう言うと、両手を掴んでベッドへと押さえ付けられる。
その意味も解らずに、私は彼に一番感じる部分を揺さぶられ、激しい波に呑まれる様に果てた。
同時にうねるように中を締め付ける。
涼しい顔をしていた彼の、一瞬の苦し気な表情を見ると最奥に熱いモノが注がれる。
「っ、ひ、あぁあああっ!!」
その時、びくんと体が跳ねた。
身体中が震える程の快楽に襲われて、逃げそうになるが私を押さえ付ける彼の手がそれを許さない。
私の中に、何かが広がっていく。
毒を飲まされた時と似ているが、比べ物に成らないくらいの快楽。
私はそのまま二度、三度と果てて更に彼を締め付けていた。
今までの絶頂とは何だったのかという程に、気持ち良くて、満たされる
意識が遠退く中、未だに引き抜かれることの無い彼のモノは再び熱を持ち始めている。
荒い息を整えている私の額にちゅ、と彼が口付ける。
「フフ、気持ち良かったでしょ?」
「っ、なに、いまの……」
「今、君の中に僕の魔力を注いだんだよ。」