第2章 1 箱庭
「アンリ、気持ちいい……?」
「あっぁあ、ぃいっ…きもち、ぃ…っ」
膣内の上部、お腹の方をカリで擦られて、私の体も、気持ちも全て見透かされているのではという程に絶妙なタイミングで一番感じる場所を刺激される。
最早、私を気持ち良くする為だけのその動きは私の意識を快楽に落とすことなど造作もないもので、彼を感じる事で心まで満たされてしまうようで。
「……そう、そうやって僕を受け入れて。そうすればもっと気持ちよくなれるからね。君が僕を本当の意味で求めたら、ね。」
彼のその言葉の意味は嫌でも理解することになる。
口付けて、まるで慈しむかのように優しく、寧ろ焦らす程にゆっくりと中を擦られ、何度も何度もその行為が続けられる。
心地良い快楽に昇らされた私は、それだけでは無い、更なる刺激を求めるようになった。
もどかしい……。
こんなにも気持ちいいのに、決してイクことの出来ないその動きに、私は無意識に中の彼を締め付け刺激を求めてしまう。
「っゃあ…もっと、……っ」
「フフ、もっと、なに……?」
意地の悪い笑みで私を見る彼にどうしようもなく恥ずかしさが込み上げるが、かといってこのまま耐えるなんて出来ない。
必死に、楽しそうに笑う空色の瞳にすがるしかなかった。
「っもっと、きもちよく、して……イカせて、ほしい、の……」
「あぁ……本当に可愛いね、アンリは……でも残念。口で言うだけじゃ足りないんだよ。もっと僕を求めてくれなきゃ。君はまだ僕を受け入れて無い。」
私の言葉に嬉しそうにしながらも、私の求めるものは与えられない。
どうすればいいの、なにをしたらいいの。
助けを求めるように彼を見ながら、私は無意識に彼を深くまで咥え込んだ腰を揺らした。
「ほら、僕を見て……今、誰におねだりしてるの?」
「っ、セラ、フィム……」
「そうだよ……アンリ、君は僕が欲しいんだよね?」
吸い込まれるような瞳に見詰められて、急に意識が虚ろになる。
「だから、ちゃんと僕を求めてくれなきゃ。」
ぐっと腰を押し付けられ、限界まで彼を受け入れているのに、痛みはない。
あぁ、もっと欲しい。
彼が、彼が欲しくて可笑しくなりそうだった。
もう、何をされてもいい……彼が欲しい。
そう思ったとき、突然痺れるような刺激に襲われた。
「っあっあぁぁ、!!」