第2章 1 箱庭
ただ膝で擦られるだけ、繊細な動きなどでは決して無い筈なのに、その動きは私を何度もよがらせた。
そしてゆっくりと離れていった時には、もう身体に力が入らないほど感じてしまっていて、深い深い口付けをずっとしていたせいで頭がぼーっとする。
「……ダメだよ、そんな可愛い顔したら。我慢出来なくなっちゃうでしょ?」
チュ、と音を立てて頬にキスをされた。
私を押さえ付ける手はもう離れていて……でも、私を抱き締める彼の腕を振り払うことなんて、出来ない。
「色々聞きたいだろうけど、きっと今言っても分かんないだろうから、後で全部教えてあげるね……今は、どうか僕が君に触れる許可を。」
私の手を取ると、その掌へ口付けを落とす彼が、真っ直ぐに私を見詰めている。
今更、何言ってるの?
私は……私はもう欲しくて欲しくて、どうにかなりそうだというのに。
キスは触れるうちに入らないなら、キスの許可がいらないなら、態々そんなこと聞かないで……
そう思う私に、おどけた様子で笑っている。
「……肌を重ねるとね、お互いの魔力や力を分け与えるんだ。粘膜が薄い部分は特に伝わりやすい……だから、余程の相手とじゃない限りこういった行為はしないんだ。力が強い者程、ね。」
「、なに……わかんな、……」
「フフ、わかんない?僕の力をあげる代わりに、君の力を頂戴って言ってるんだよ。」
セラフィムの力を貰う代わりに、私の力を……?
私はそれが何を意味するのかなんて分る筈無い。
「……まぁ、嫌なんて言わせないんだけどね。」
そう言って、静かに笑った彼は私の体に手を滑らせていく。
肩に掛かっていたワンピースが静かに落ちた。
首筋から肩、胸を撫でる手はゆっくりとその乳房を揉みしだく。
「んっ、あ……っ」
心地よい刺激にぞくっと背筋が震えた。
「……まだ、こっちは出ないみたいだね。」
「そんな、っ出るわけ…っ」
「フフ、出るんだよ……この世界の子はね。」
乳房を揉みながら、指先でその先端の小さな赤い突起を刺激される。
「ぁあっんぅ…!」
「大丈夫、ゆっくり変えていってあげるから。」
変えるって何を?
楽しそうに笑う彼が恐ろしく思えた。
私の体、変えられちゃうの?
この体の疼きだけでもまだ受け入れられていないのに。
これ以上どうなるっていうの?