第2章 1 箱庭
セラフィムが、私をこの世界に呼んだの……?
貴方は、本当にカミサマなの……?
知れば知る程に、彼が分からなかった。
「……僕の事、何も知らないって君は言ったね。知りたいなら教えて上げるよ。アンリ、君が望むのなら何だって教えて上げるさ……全部。」
「っぁ、……っ、」
首筋に、セラフィムの舌先が触れる。
その刺激だけで、もう後戻りなんて出来ないと理解する。
「……その前に君はまず自分のことを知るところから、かな。」
そう、私は私自身のことすら全然分かっていない。
私は私が分からないのに、彼は私を知っていて、私は彼が分からない。
貴方は、何なの?私は?
何も分からない私は、ただこの熱に溺れてしまいそう。
「ただね、君の身体はこのままじゃまずいから、僕の力を分けるよ。そうすれば、君を隠せるから。」
「かく、す?」
「そうだよ……君は特別だからね。その力を、身体を、そして君を皆欲しがってるんだ。こうしてる今も、必死に君を探してるだろうね……皆君が欲しいんだよ。天も地も、誰ひとり例外なく、ね。」
私を、欲しがってる……?
そう言うセラフィムの目が、熱っぽく見えた。
「んっ、ふ……っは、」
手を押さえ付けられたまま、深い口付けをされる。
逃げられない状況で、彼のされるがままになる身体は抵抗なんて出来なかった。
例えそれが可能な状況であったとしても、私はそうしなかっただろう。
でも、これは私の意思とは反する、不可抗力の下での行為なんだと思うことで、純粋にこの熱を受け入れてしまった。
舌と舌との、薄い粘膜が擦り合わされて、それが気持ちいい。
もう、身体の芯はぐずぐずに溶けてしまっていて、彼を感じることしか出来ない。
キスがこんなにも気持ちいいだなんて。
いつの間にか私の脚の間に、彼の膝が入り込んでいて、既に隠しようも無いくらいに濡れている私の秘部をぐっと押し上げた。
「っ、んん!、ふ、ぁ……」
キスで蕩けた頭に、突然直接的な刺激が伝わって思わず声を上げた。
悪戯に私のそこを、ぐちゃぐちゃと音がする程擦り上げてくる。
その事を私に意識させるように。何度も、何度も。
キスだけでこんなに濡らしちゃったんだ。
まるでそう言う彼の言葉が聞こえてくるようだった。