第5章 闇夜の調べ
「ちょっと待ってください……あれ?それって、……その、私の中の魔力が、っていうその話ですか?」
「ええ、そうです。貴女の中の魔力が増えすぎないように、減らす作業が所謂、そういった行為になります。」
待って待って、やっと繋がった!今の今までよく分かってなかったものが初めての一連の流れで理解出来た気がする。
今、セラフィムのせいで魔力の中和が出来なくなった私の身体から魔力が増えすぎないように抜く作業が必要になってるのは分かったつもりでいた。その作業が、所謂えっちな事で……それをするのがハイデスさんで、魔力を抜くえっちな作業を安全に?行う為に二人とも核?を埋め込んでもらった。
でも、それでもハイデスさんには身体に負荷が掛かってるから、今酷く体調が悪そうで……
何から何まで自分が原因で起こっているのだということを、改めて知ると事の重さに目眩がした。
セラフィムのせい、というのも勿論あるが、私自身の、天女としての体質のせいなのだろう。
「……アンリ、ハイデスとのそういった行為に抵抗は?」
「え、え?!な、そんな事……」
あまりにもストレートな質問に思わず声が上擦る。
そんなこと聞かれても、というか、自分でもいけないとは分かっていても、好意を、愛されていると感じてしまうと、身動きが取れなくなる。
私なんかにそんな感情を向けてくれる人を、拒絶出来ない私がいる。ハイデスさんの言葉にも、触れられることにも、嫌だとか不快だなんて、思ったことすら無かったのだから。
でも、中途半端な感情でそういった行為を許すのは、やっぱり人として、ダメだろう。
いい子ちゃんぶってただの軽い女だと思われてしまっているのでは、と思って急に怖くなった。