第2章 1 箱庭
触手が全て剝がされる頃には意識が朦朧として、話しかけられたとしても何もわかっていなかった。
声も枯れてきて、私の掠れた声が部屋にずっと響いていた。
しかし不思議なことにもうやめて欲しいと思うことは無かった様に感じる。
寧ろこのままずっとこうしていたいと思うほどには私は快楽に溺れていた。
「……お疲れ様。よく我慢したね。」
ゆっくりと振り向くとそのまま口付けが降ってくる。
額、頬、目じりと口付けられ、最後に舌を深く絡ませる濃厚なキス。
私からも無意識に舌を絡めると気を良くしたように深く深く、吐息すら奪うほど濃厚に口付けられた。
「ん、っあぁ…んぅ、っふあ」
そうしている間にゆっくりと彼の指が私の中へ入ってきた。
身体が強張ると同時に彼の長く節のある指を締め付けてしまう。
これだけされていて今初めて、膣内を刺激されたことに気が付いた。
「んんぅっ、んっぁあんっ、」
中のモノを掻き出す様な動きをされて、中をまさぐられてはその刺激に体中が溶けてしまいそうだった。
口付けをしたまま、呼吸はどんどん乱れていくけれど離してはもらえない。
そのまま強くなる刺激に私はすぐに上り詰め、中の彼を締め付けると同時に達した。
ぐったりとする私をやっと口付けを離してくれた彼が支えて抱きしめる。
「中に出されてたモノもほとんど出したし、後は薬を塗るだけだよ。」
抱きしめられたまま、肌にひんやりとしたものが塗られていく。
するとスーッと体のしびれが引いていくのが分かる。
やっと解放されるという気持ちと、この行為の終わりが近付いていることに寂しさを感じる。
何考えてるんだろ、私……
無意識に彼を見つめていればチュッと軽いキスをされた。
「薬、飲める?苦くはないから。」
瓶に入った液体を見せられるが、ぼーっとしたままの私はただ彼を見つめてしまう。
すると彼は困ったように笑って私の頭を撫でた。
気持ちいい……
徐に彼が瓶の中の薬を自分の口の中に含み、何をしているんだろうなんて思っていたらそのまま口付けられた。
ぬるっと彼の舌が入り込んで、私の口を開けさせると同時に液体が流れ込んできて抵抗する間もなく私はそれを飲み込んだ。
それを何度か繰り返されると全身の感覚がはっきりしてくる。