第2章 1 箱庭
強すぎる快感で意識を飛ばすのはさすがに怖い。
せめてもの抵抗と言った言葉に彼が楽しそうにしていることを私は気が付けないでいた。
「フフ、優しくがいいの?じゃあ……ゆっくり、取ってあげようか。」
彼の言葉通り、クリトリスから少しずつ触手が剥がされた。
「ひっ、あああぁっあ、ぁあっ!!」
途端、予想を遥かに越えた快楽が私を襲った。
脚はガクガクと震えて、強すぎる快楽に意識する間も無くプシュっと潮を吹いてしまう。
ただその近くを指先が触れるだけでたまらなく気持ちいのに、クリトリスへの直接の刺激に加えて触手を剥がす時の痺れと疼きがその刺激を倍増させた。
肌に付いたものを剥がされるだけで身を反らせてよがっていたのだから、そんな敏感な部分に付いたものを取ったら耐えられる筈がなかった。
「ひああっあ、!!!やあっああああぁっ!!」
全身が意識と反してビクビクと痙攣するとすぐに絶頂に上り詰めまた体が快楽に震える。
強すぎる快感は脳の神経を焼き切るかのように、意識を朦朧とさせた。
これ以上は耐えられないと逃げ出しそうになる体は後ろから確りと抱き締められて抵抗すら出来ない。
こんなことなら、一思いに一気に取ってもらって意識を失った方が楽だったかもしれない。
しかし、そんな事を思ったところで今の私にはそれを伝えることなど出来ない。
「あぁあんっんんぅ、ゃああ!!」
「ほら、半分取れたよ。あと半分、いい子だから頑張ろうね。」
ゆっくりゆっくり、しかし止まることなく剥がされる触手はその間休む間も無く私を快楽で襲う。
プシッと何度目かの潮が吹き出すと同時にまた私は達した。
すると間を開けることなく私の体が痙攣して続け様にイったことが分かる。
「あっだめっまた、イっちゃっ、ああぁっっ!」
「フフフ……イきっぱなしだね。可愛い。」
もう訳が分からなくなって、何度イったのかも分からなかった。
脚はずっとガクガクして、もう全身をぐちゃぐちゃにされたみたいだった。
ただ、首筋と耳元にずっとキスをされているのがまた気持ちよくて、まるで愛されているようだと錯覚してしまう。
これが愛されている行為だと思ってしまう。
今だけでいい、この行為が何を意味するのかだなんて本当の事はどうでもいい、ただ今はこの温もりが愛だと思いたかった。