第4章 3 夢か現か幻か
確かに、粘膜であるそこは、口付け以上に魔力を吸収しやすいとは言うが、それは、あまりにも暴力的で、あまりにも強烈な快感。
私のものに纏わりつく彼女の魔力に、体中の神経がそこに集中してしまったのではと思う程。
くちゅ、くちゅと少しずつ彼女の蜜を纏い艶めかしく濡れる私のものが、今にも熱を吐き出してしまうのではないかと錯覚する程であった。
ぬるりとした滑りを帯びたそこが彼女のクリトリスに触れる。くりゅ、くりゅと逃げるそれを何度も擦った。
片手で彼女の腕を頭上で固定し、もう片手で膝の裏を抑えると彼女の秘部をこちらに向かせ、逃げられないようにする。
そのまま、何度も彼女のそこと私の昂る熱を擦り合わせた。
そうしているうちに、何度このままこの狭い彼女の膣口に私のものを捩じ込んでしまおうかと思ったか。
既の所で留まれたのは、彼女の目に一筋の涙が零れていたからだった。
それが、生理的なものからくるものなのか、あるいは私のこの身勝手な行いによるものへの訴えなのかは、分からなかった。
分かりたくなかった。
分かろうとも、しなかった。
今、彼女に拒絶されては、それこそ私は気が狂ってしまう。
だから、その口を、私のそれで塞いだ。
腕を押さえつけて、口を塞いで、彼女が私を拒絶する、その手段を奪った。
その中で、彼女に快楽を植え付けていく。
甘い吐息を漏らす事だけを許し、快感にその身を震えさせる事だけを許した。
この狂った性行為への真似事は、私の気を可笑しくさせるのには十分であった。
ぐちゃぐちゃに濡れそぼった彼女の中に、ほんの僅かな過ちがあったならば私の熱を打ち付けてしまうであろうこの状況に、どうしてまともでいられようか。
私の下で、苦しそうに喘ぐ彼女を見るだけでこの歪み出した感情が歓喜する。
限界が近い彼女に、同時に熱を吐き出したくて片手で己の竿を握る。
彼女のクリトリスを擦り上げながら、自身もその蜜を纏わらせて刺激を強くする。
短く早く、そのスピードを速めるとくぐもった声と共に達した彼女に一瞬遅れて腹に私の熱を吐き出した。