第4章 3 夢か現か幻か
「ふ、っぁ…ハイデスさん、これ、へん…」
「まだ我慢しておくれ。……発作の時はね、こうすることで鎮静化させる事が出来るんだ。ルシスもしていただろう?」
「だって、何か、ちがう…っ」
違うのはこの口付けなのか、私の身体なのかは分からなかった。
私の熱っぽさが少しずつ無くなっていくが、それよりも身体がむずむずしてしまいそうだった。
「何が違うんだい?どうするのが良いか、言ってくれないと分からないよ…。」
ちゅ、ちゅと何度もされる口付けが心地よいものに変わっていく。
「、ゃ、…きもち、い…っ」
「まだ、今の君にはそういう作用になる量では無いと思うのだが……魔力の乱れのせいだろうか?」
怪訝そうだが、確実にその瞳に熱を宿したハイデスさんが私の布団を捲って汗ばんだ首筋に触れた。
「ん、…」
「……確かに、いつもの発作とどこか違うな…。」
首筋、肩、胸元とゆっくり身体をなぞられるだけで、私の身体は反応を見せた。
「、ぁっ、や……ん、」
胸元をゆっくりと触れられるだけで、無意識に期待してしまう身体がそこをじっとりと濡らしていく。
「、アンリ……」
心配そうに触れていた筈のハイデスさんが、ゴクリと喉を鳴らしていた。
口付けを受けながらスルリと肌が空気に触れていく感覚を覚えた。火照った身体は寧ろ心地よいとその肌を撫でるほんの少しの冷たさに汗を冷やす。
乳房を撫で、柔らかなそれを掌で楽しむと既に硬く主張する中心を指先で転がされる。
「、あぁっンッ…ぁ、」
気持ちいい、気持ちいいのに、いつもなら堪らなく気持ちいハイデスさんの手付きが、なんだか違って感じる。
相変わらず、私の意識は虚ろなままで、その奥にある感情はぐちゃぐちゃしてずっとずっと煩わしい。
嬉しいのか、嫌なのかも分からない。混乱する意識に蓋をするようにぎゅっと目蓋を瞑る。
脳裏にチラつく金糸が、ダメだって、まるで私を咎めるかのように、何度も何度も私の意識に入ってくるような、そんな気がした。
「、や、ぁっ……」
熱を下げる為だとか、そんなのは私の中にはもう無くて、快感と罪悪感に襲われるだけだった。
でも、変わらず私の魔力は酷く乱れたままらしい。何度魔力を注いでも変わらない様子に見かねて、ハイデスさんが執拗に私の小さな乳首を指先でこねた。