第4章 3　夢か現か幻か

指の腹でゆっくりと優しく、何度も撫でられては気持ち良さに思わず腰が浮く。

「ぁっあぁああｯ…、っ」

「フフ、気持ちいいね、アンリ……。このまま、いっちゃおっか？ほら、僕の目を見て…？」

彼の言葉が麻薬のように私の頭を麻痺させて、熱に浮かされた脳はその瞳に見られていると思うだけでどうにかなりそうだった。
手の動きは相変わらず、優しく優しくゆっくりとそこを撫でている。
なのに、彼の目を見ていると頭の神経が可笑しくなったみたいに、一気に快楽の波が襲ってくる。

「ッあ、やッぁ、…ああぁっ、！」

彼に愛でられている小さな小さな突起に、身体中の熱が集中したかのような感覚になると、そのまま一気に弾けた。
ビクン、ビクンと痙攣する身体。
気持ちいいのに、頭が麻痺してしまいそうな程の刺激。

しかし、達したその後も彼の手は止まること無く、くちゅくちゅとぷっくり充血したそこを愛撫し続けた。
イったすぐの、敏感なそこを刺激されては身体が勝手にビクビクとその快楽を逃そうと必死に震える。

どうにかなってしまいそうなその刺激に怖くなって思わず彼にしがみ付いた。
それを彼は嬉しそうに、愛おしそうに抱き寄せると深く優しいキスをくれるのだ。

気持ちいい……なだめるような、あやすような口付けが嬉しくて、もっともっと欲しかった。

するとその思いに応えるように、何度も角度を変え舌を絡め甘い甘いキスをする。
身体に暖かなものが広がって、全身が溶かされてしまうみたいに気持ち良くてずっとこうしていたいとさえ思った。

ぬちゅ、と粘着質な水音と共に彼の長い指が私の中に入ってくる。上の壁を指の腹で擦りながら、少しづつ、何度も往復して擦り上げてくる。

「んんぅ、ふっ…んぁ、っぁ」

身体の中心から込み上げてくる快感に、私はもうどろどろにとろけてしまった。
欲しくて欲しくて堪らない。
喉の渇きのように、飢えてしまって仕方がなかった。

もっと口付けて、もっと触って…。

私が思えば思う程、彼は応えてくれる。
怖いくらいに、落とされてしまうようで。

「ぁ、あっだめ、ッそれ、イっちゃ…ッ！！」