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私を愛したモノなど

第4章 3 夢か現か幻か


唇、首筋、胸元と口付けられ、肩に掛かっていたワンピースがするりと落とされる。
膨らみを撫でながら、ちゅ、ちゅと小さなリップ音を響かせて甘い口付けを落とす。
もう既に赤く色付く胸の敏感なそこから滴る蜜を丁寧に舐め取った。

「、んッ…ぅ、…」

まだ、中心には触れられていないと言うのに、身体が敏感に反応してしまう。
次第に立っていられなくなった私を抱き抱え、側のベンチで彼は膝の上に乗せた。

「ほら、アンリ……覚えてる?こうやって、耳元で沢山好きだよって囁きながら、色んなところ触られるの、好きだったよね?」

わざと吐息を掛けるように囁かれながら、私の身体を撫でる指先が胸の突起を掠めていった。

「、ぁあっ……ゃ、ッ」

もうずっと、欲しくてたまらなかった刺激に思わず声が漏れる。
そのまま優しく指先がそれを転がすと、すぐにぷくりと主張した。まるでもっと触って欲しいとせがむようだった。
その間もずっと彼の舌が私の耳を責め、ぴちゃぴちゃと響く水音に脳まで犯されたようだった。

「フフフ、ずっと二人でこうしてたんだよ……アンリ、だから例え記憶が無くても、君の身体は僕を覚えている筈だ。」

「ゃ、…ぁあっぁ、んんぅっ!」

しっかりと抱き締められて逃げられない身体は、すぐに彼から受ける快楽に溺れそうになってしまう。

「ほら、どんどん溢れてきちゃう……フフフ、大丈夫だよ。もっともっと気持ち良くさせてあげるからね。」

夢の中の彼と、今の彼が重なっては知らない記憶がフラッシュバックしてくるようだった。
目の前がチカチカして、もうまともな思考回路なんて残っていない。

彼の声が、手付きが、体温が、全てが私の中で一つの鍵となり閉じ込められた記憶の扉を無理矢理抉じ開けていく。

胸ばかり触られたら、記憶の中の私はすぐに達してしまう。
すると、嬉しそうに彼は溢れた私の蜜を舌で舐め上げて、楽しそうに笑って見せるのだ。そして、もっと頂戴とおどけて見せるのだ。
そうして、口の中で転がし、優しく先端を舌先でつつきながら何度も何度もそこを刺激して、耐えられずにまた彼の腕の中で果てる私を愛おしそうに抱き締める。

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