第4章 3 夢か現か幻か
そうして次の日、私は頭を抱えていた。
結局何の結論も出なかったし、いくら一人で考えても、何一つ解決には至らなそうだったからだ。
こうしてジェイドさんのお茶を飲みながら他愛の無い話や、ハイデスさんが帰ってきたらやりたいことなどを話している時間も好きだし、今進めている魔法学校への勉強も、まだまだ常識問題ばかりだけど楽しめている。
この場所を離れることになるかもしれないのは、考えると少し怖かった。
でも、過去の私を知りたいのは本当だし、彼……セラフィムとこのままさよならっていうのも嫌だ。
ちょっと不思議な雰囲気があるけど、もっと沢山彼の事を知りたいと思う。
だから、彼に会いに行って、色々聞いたり話したりしたいんだけども、昨日の夜の事を思い出して、自己嫌悪する。
「ぅう~……。」
「お嬢様??如何なされました…?」
勉強が一区切り着いたから、ジェイドさんとのお茶タイムだったというのに変な声をあげてしまい、恥ずかしくてすぐに何でもないと誤魔化した。
「……何か、悩み事でも?このジェイドでよろしければ、伺いますよ?」
ジェイドさんは、察しがいいというか、本当に細かいことに気が付いてくれるんだけど、こういう時は思わずどもってしまう。
「いや、何て言うか、その……。」
セラフィムの事、やっぱり相談した方が良いのかな……。
でもセラフィムは話して欲しく無さそうだったし。それにあまり仲が良さそうではなかった。
しかし、さすがに誰かと会っているならば、それだけでも伝えておいた方がいいよな、普通に考えて…。
そう思って、セラフィムの事をジェイドさんに言おうとした。したのだけれども…。
「…えっと、あ、…あの、…。」
あれ、何か、可笑しい。
「…、お嬢様?」
「あ…いや、その……な、なんでも、ないです…。」
「左様で御座いますか、?何かあったら、すぐに仰って下さいね?」
あ、れ?
ジェイドさんに、伝えようと思ったのに、私なんで断ってるんだろう。
「、あ、……え、…はい。」
吃音みたいな、言葉が出てこないような、頭が軽いパニックを起こしてるみたい。
喉の奧に何か引っ掛かってるような、そんな違和感がするのだ。