第4章 3 夢か現か幻か
ドキドキしてしまっているのは、お風呂で身体が暖まったからだと思いたい。
この先どうするのか、セラフィムとの関係を考えつつ、ハイデスさんとの事もよく考えて、いい方向に進む手段を考えなきゃいけないのにどうしても、セラフィムとした口付けと、胸を触れられた時の感覚が甦る。
このままでは逆上せてしまうと思いながらも、身体の奥がムズムズしてしまう。
「でも、気持ち良かった、な……。」
無意識に自分の唇に触れた。
気持ち良くて、心地好くて、彼に触れられるのが嬉しかった。
何で、なのだろう。
あの時、本当はもっと触れて欲しかった。
もっと、キスして欲しかった。
可笑しいと思ったけど、彼の言う通り、本当に私の中に彼を好きだった時の気持ちが残っている、から…?
だとしたら、私はどんな気持ちで、どんな彼を好きになったんだろう。
今日の彼の事を想像しては、自分の身体を抱き締める。
服の上から触れられた時の事を思い出して、ダメだと思いつつ手が胸元へ伸びる。
彼はまず軽く触れて、ゆっくり全体をなぞってから、中心に触れたんだっけ。
自分でなんてほとんどしないから、無性にドキドキした。
お湯が揺れる音が浴室に反響する。
指先で胸の先端に触れ、ゆっくり刺激すると段々と固くなってくる。
クリクリと刺激すると、少しだけピリッとするような、むず痒い甘い刺激になる。
「、ん、…ぁ、…っ」
触ってもらうのと、自分で触るのとではこんなにも違うものなのかと、その物足りなさにもどかしくなりながらもこの手は止まらない。
両方のしこりを指先でくりくりすると、段々あの白っぽい密がでて透き通ったお風呂を白く濁らせる。
それに合わせるかのように、気持ちよくなってくる。
「ぁ…んっ、ふ…ッ」
『ほら、こんなにおっきくなっちゃって、可愛いね、アンリ。』
そんな台詞、聞いたこと無い筈なのに、頭の中で彼の声がする。
『ここ、もっと触って欲しいの?フフフ、勿論、沢山触ってあげるよ。』
そうやって、本当に耳元で囁かれてるくらい鮮明に聞こえる気さえしてくるのだ。