• テキストサイズ

私を愛したモノなど

第2章 1 箱庭


無数の触手が私を襲ってくる。
触手の海に引きずり込んで、毒を飲ませて大切なところをぐちゃぐちゃにされる。

やだ、もうやだ…助けて、誰かたすけて

びりっとした痺れと痛みがはしり、麻痺した肌はそれを快楽として受け入れる。

いやあっいやなの、もういや、!!

もう全身がぐじゅぐじゅに溶けてしまったのかもしれない。
全てが気持ちよくて、それが本当に恐ろしかった。

「っごめんね、大丈夫、もう大丈夫だから……だから我慢して」

びりっとまた刺激が走る。

何が大丈夫なの、何が我慢なの
もうむり、もういやなの……こわい、こわいの

幾度と触手の痺れが体を蝕んだ。
ビリビリとした刺激を受ける度に私の蜜が溢れ出る。

「いや、らぁ……たすけ、やぁっ」

震える体が、何かにぎゅっと締め付けられる。

「ほら、いい子だから……もう少し頑張って。」

「ひっ、ぁあああっ!!」

敏感な乳首に、一際強い刺激が走る。
その刺激だけで簡単に私は達してしまった。

「いい子だね。大丈夫だよ……ほら、僕を感じて。大丈夫だから。」

ゆったりとした優しい動きで胸を揉まれ、少しずつ混乱した意識がハッキリとしてくる。

大丈夫、大丈夫だと何度も聞かされて、その暖かさに体の震えが治まってきた。

「あともう少しだから、早いうちに全部取らなきゃいけないから、ね?」

うまく聞き取れなくて、分からないと私はぶんぶん首を振った。

「や、らぁっこわ、ぃ…いやぁ、」

もはや自分が何を口走ってるのか分からない。

触手がこわい、快楽がこわい、もう全てが恐ろしい

「うん、怖かったね……つらかったね。でももう大丈夫だよ。僕がいるから。あの怪物はもういないよ。」

「うー、うぅぅうぅ、っ」

溢れ出る涙を止められなくて、やっぱりガタガタと震えだす体が恐怖を増幅させる。

「大丈夫だよ……ほら、目を開けて。僕を見て。」

頬を伝う涙を何か柔らかくて暖かいものに拭われて、優しさに包まれた気がした。

ゆっくりと目をあけると、そこにはキラキラと光る金色を見た。

あ、この色……あの時と同じ色。

「ほら、大丈夫でしょ?僕しかいない……もう大丈夫だから、ね、安心して。」

白金の輝きの髪をした、空色の瞳を持つ青年はそれこそ溶けてしまうような優しい微笑みを浮かべてぎゅっと私を抱き締めた。

/ 455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp