第2章 1 箱庭
あと残っている問題は、この髪の色くらいだろうか。
「でも、キレイな気もするんだよねぇ。」
長く白い髪を一束掴んで眺める。
光に反射してキラキラと輝いている。
そういえば、不思議とここにいると汚れとは無縁になっていることに気が付く。
果物を取りに行っても土に触れた筈なのに手には付いていない。多少体も生きている限り何かしらの汚れというか、皮脂的な汚れが出てもおかしくはないのにそういった類も全く感じない。
なので肌の調子もバッチリすぎるほど。
もちろん、髪も同様だ。
こんな環境で、体が清潔でいられるのは本当にありがたい。
例えその原因が不可思議なものであったとしても、だ。
もう元の色には戻らないのかなぁ、と手にした髪を光にかざしながらぼんやりと思っていたらキツネがいつものように果物を持ってきてくれた。
「いつもありがとうね。」
そう言って頭をなでてやると嬉しそうにすり寄ってくる。
かわいいなぁ、なんて思いながらそんなキツネの為に果物を何個か白くしてあげる。
本当にこうしないと食べないんだから。そう言って自分の分の果物に手を付けようとしたとき体に明らかな異変が起きた。
カラダが、熱い……
今朝のダルさとは比べ物にならないソレ。
これは確実におかしい。
突然火照りだす体を抑えようと自分自身を抱きしめる。
「んっ、は……うそ…」
瞬間、私の下半身が明らかに熱をもっていることに気付く。
服が擦れ、ほんの僅かにでも布が擦れる感触が敏感に肌へと伝わる。
カアッと急激に上がる体温に、変なものでも食べたかと思ったが、生憎目の前に転がる果物はさっき食べようとして叶わなかった。
じゃあ、なんだ??私の体に何が起こっているの???
パニックを起こしている思考を他所に、体はどんどん疼きを増す。
じゅんって、下着が濡れたのが分かった。
なにこれ、本当に何なのこれは。
それでも信じたくない一心で、確認の為と自分に言い聞かせ恐る恐るスカートの中に手を入れる。
ゆっくりと、ショーツ越しに割れ目を指先でなぞった。
「っひあ、……!!!」
自分でも信じられないくらいの快感。
初めてのことに理解が追い付いていない。
ただ分かるのは、早くこの体の熱をどうにかしたいということだけ。
指には糸を引くほどベッタリと愛液が付いている。